2025年11月05日

<イベントレポート>じっくり たっぷり まち歩き!「谷根千編」

こんにちは! ハルメク講座イベント部の岡島です。

「秋晴れの気持ちの良い1日となるでしょう」

10月下旬のある日、そんな気象予報士の声に送り出されて、向かったのはJR日暮里駅。今日の「谷根千さんぽ」の集合場所です。たてもの散歩の講師として名高い上村治氏が案内人を務めます。開始時間までに30名全員が集まり、いざ、最初の目的地の台東区立朝倉彫塑館へ。

ここは、明治から昭和にかけて活躍した彫刻家・朝倉文夫のアトリエ兼住居だった建物です。東京美術学校(現・東京藝術大学美術学部)で学んだ朝倉氏は卒業後、大学ある上野からほど近いこの谷中にアトリエと住居を構えました。中に入ってみると、高い天井から明るい日差しが降り注ぐアトリエが広がります。この日は、娘であり彫刻家でもあった朝倉響子氏の特別展。朝倉一家の様子がうかがえて興味深い作品展でしたが、愛猫家でも知られた同氏の猫が展示がなかったのはちょっと残念……。興味のある方はぜひまた別日に足を運んでみてください。

アトリエを抜けると、住み心地のよさそうな日本家屋と美しい庭が広がります。文夫氏は家づくりを楽しんでいたそうで、使われた天然木の柱や庭の石、タイルに至るまでこだわりを感じさせてくれます。階段や廊下がいくつもあるので一度で構造を把握するのは難しそう。お客様も「このドアを開けたらどこにつながるの?」と探検気分。当時としては珍しい屋上庭園にはオリーブの大木が。「ほんとにオリーブ? こんな屋上で、こんなに大きくなるの?」とみなさん二度見していました。

じっくり1時間ほどかけて見学すると、もうお昼時。再び谷中の街を歩きだしたところで「みなさんに見てほしいものがあるんですよ」と案内人の声が、耳にかけたイヤホンレシーバーから聞こえてきました。集まってみると、立派な構えの経王寺というお寺の山門に弾痕が残っているといいます。「これは江戸末期、新政府軍と幕府側の彰義隊が戦ったあとなんですね。上野の方から逃げてきた彰義隊に向けられた銃の痕というわけです」との解説。「こういうお話が聞けるから、おさんぽが楽しくなるんですよね」とお客様の一人が話してくださいました。


日暮里から千駄木の方へと降りていく階段は、ちょうど西を向いているため「夕焼けだんだん」と呼ばれます。この階段を下りて、東西に延びる谷中銀座を抜けて、本日のランチ会場「吉里」へ向かいます。「吉里」もまた日本家屋の風情あるたたずまいです。ここで鰻のコースをいただき、ふたたびおさんぽへ……と思ったらなんと雨。「えっ 洗濯物干してきちゃった」と言ったのは私ですが、お客様も「今日は降らないって天気予報が言ってたのに……」。雨具を準備されていた方は半数くらいでしたでしょうか。そぼ降る雨の中、今度は根津に向かって歩きます。

根津と言えばやはり根津神社。そもそもは1900年余りも前に日本武尊(やまとたけるのみこと)が創祀したと言われますが、現在地は江戸時代、のちの六代将軍徳川家宣が生まれた土地であることを記念して建てられたと言います。お参りをしたあとは、千本鳥居を抜けて乙女稲荷神社へ。乙女稲荷神社には蕪とキツネのレリーフが掲げられているのですが、「なんで蕪なのか、いくら調べてもわからなかったんですよね」と案内人。どなたかご存じの方がいらっしゃれば、どうぞお問い合わせメールから情報をお寄せください。



根津神社の境内には森鴎外旧居も移築されているのですが、まだ移築されて間もないためか中に入ることはできず、ここで解散となりました。

この日お集まりのみなさま、雨の中、お疲れさまでした!

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